昨年に引き続き今年も、来年=2020年の住宅ローン借り換え金利の見通しを考えてみたいと思います。
まず最初に結論を言ってしまうと、住宅ローン金利見通しの大枠としては引き続き「大きく上がることも、大きく下がることもない」という理解でよいと思います。
大きく変動することがない理由は、日銀が異次元の金融緩和を続けているからですね。特に長期金利については2016年秋からの金融緩和の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和=イールドカーブコントロール」によって、文字通り「金利操作」されることになりました。
具体的には、長期金利は操作目標である「0%」を中心に2018年7月までは「−0.1%〜+0.1%」、2018年7月以降は「−0.2%〜+0.2%」という変動幅の中に収まるようコントロールされており、幅が多少拡大されたものの引き続き低金利が維持されています。
過去5年の長期金利の推移を見てみるとこうなります。
2016年秋以降、長期金利はおおむねそのイールドカーブコントロールの狭い幅の中で推移してきたことが分かります。2018年秋以降は上記の通り「金利変動幅拡大」の影響で金利が上昇する局面もありましたが、足元では再び0%前後の水準ですね。
つまりは日銀の「金利操作」は有効に機能しており、だとすると長期金利は大きく上がることも下がることもなく、住宅ローン借り換え金利もまた大きく上がることも下がることもないということですね。
ただ一方で。
そのように長期金利はイールドカーブコントロールの幅の中で推移するのは間違いないとしても、2019年は米中貿易戦争などの不透明要因が多く、長期金利は大きく下がりました。実際のところ年初からマイナス水準が続き、8月ごろには一時その下限をも下回り、−0.3%付近まで低下しました。
アメリカの中央銀行であるFRBが利下げを進めたことも大きな金利低下要因となりましたね。
しかし2019年秋以降、長期金利は明らかに反発し回復傾向にあります。これは上記の米中貿易戦争が早期に妥結するという見通しが広がったためですね。実際、アメリカの対中関税第4弾は延期されましたし、遅かれ早かれ2020年秋の大統領選挙までには米中の貿易協議が一定の合意を見るのは間違いないと思います。
とすればやはり2020年の長期金利は、新しい「上限」である0.2%に向けてジワジワ上昇していくことになりそうです。
現状の0%前後の金利水準からすれば「+0.2%程度の上昇余地」ということになり、来年の借り換え金利の見通しはこう結論付けたいと思います。
・住宅ローン金利は2020年秋にかけて+0.2%程度上昇する可能性が高い。
逆に言えば2020年秋以降は下がるかもしれませんし、そもそも予想に反し米中の貿易協議が決裂すれば再び金利は低下しそうですが、それはともかくとしてメインシナリオであるこうした金利上昇の可能性が気になる方は早めに借り換えを進めた方が良さそうです。
参考にしてみてください。
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