気が付けば原油価格が大きく下がっていますね。WTI原油先物のグラフをチェックするとこうなっています。
劇的に低下していますね!イラン制裁の影響がそれほどではなさそうであることに加え、シェールオイルの生産量が過去最大となり、サウジアラビアも価格引き下げに協力的というのもあると思いますが、ただどれも決定打とはならない気がします。
それより、 これまでの価格上昇が急だったことを踏まえれば、自律的な調整局面と言うか、「原油のミニバブルが弾けた」ということなのかもしれません。
最近の150円を超えるようなガソリン価格の上昇を考えればこうした原油価格の下落傾向は歓迎したい気になりますが、住宅ローン顧客からするとさらに副次的にうれしい影響があります。
何かと言えば
・原油価格が下がれば住宅ローン金利も下がる
ということです。
その理屈は主に2つあります。
1つ目は短期的な影響ですが、原油価格が下がれば株価が下がります。株価指数を構成する銘柄の中で石油会社の存在感は大きいですが、それらの業績が悪化しますので全体的な株価も下がりやすくなるわけですね。同じ期間のNYダウのグラフをチェックしてみるとこうなります。
原油価格の低下だけが影響ではないと思いますが、ほぼ同じタイミングで下落しています。
株価が下がれば短期的には金利も下がるのが通例ですが、日本の長期金利も10月に入ってから下落傾向ですね。
「風が吹けば桶屋が・・・」と言った話に聞こえるかもしれませんが、何が原因にせよここまで劇的に原油価格が動けばその影響が各金融指数に影響が出るのは自然なことだと思います。
原油価格が下がれば住宅ローン金利が下がる2つ目の理由は、もっと長期的な影響ですが、日本のインフレ率が下がるからです。直近の2018年10月のインフレ率は+1.4%ですが、その内訳はこうなります。
・生鮮食品:+0.4%
・エネルギー価格:+0.6%
・食品、エネルギーを除く総合:+0.4%
つまり、足元のインフレ率の半分近くをエネルギー価格の上昇が占めているわけですが、もしこれがなくなればインフレ率は+0.8%となり、目標である+2%から大きく遠のくことになります。
仮にエネルギー価格が前年比マイナスに転じれば今度はデフレ圧力となってきます。
日銀がなぜ異次元の金融緩和により積極的に金利を引き下げてきたかと言えばインフレ率2%を実現するためですね。
その目標である2%が遠のけば、日銀は金融緩和を拡大するか、少なくとも現在の金融緩和策を維持せざるを得なくなります。
現在の金融緩和が維持されるということはつまり、今の低金利が維持され、住宅ローンの借り換え金利も低水準が維持されるということですね。
異次元緩和の副作用を考えれば更なる金融緩和の拡大はちょっと難しいかもしれませんが、住宅ローンの借り換え金利がすでに最低水準まで低下していることを踏まえれば、今の金利が維持されるだけでも朗報と言えます。
日銀や石油業界の関係者の方々には申し訳ないですが、このまま原油価格が下がっていくことを期待したいと思います。
世界経済が引き続き現在の活況を維持するなら、原油価格もどこかで復調するような気はしますが・・・。
参考にしてみてください。
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