住宅ローンを借り換える際に一番最初に気になるのが、どういう金利タイプを選ぶかということですね。
金利タイプには大きく分けて、「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」の3種類がありますが、この3つを比べるとやはり一番最初に目につくのは変動型ですね。何と言っても低いところでは0.5%を切る低金利が魅力です。
借換えの目的は当然、総返済額の削減にありますから、金利の低下は最も分かりやすいメリットです。
そもそも借り換えには数十万円の諸費用がかかりますので、そうした金利低下メリットがないと「やる意味がない」という現実的な問題もあります。
加えて借り換え時には当然、住宅ローン残高も相応に減っているでしょうから、金利上昇リスクを取りやすくなるというのも理由となりそうです。
ただ一方で、金利上昇リスクを抑えるために「やっぱり固定金利が良い」という方も一定割合いるでしょうし、借入の際、それなりのこだわりもあって金利タイプを選んだのであれば「そのままの金利タイプで良い」という方もいるのでしょうね。
では実際のところ住宅ローンを借り換えている方は金利タイプを変更しているのでしょうか?変更しているとすればどういった金利タイプを選んでいるのでしょうか?
というわけで今回も前回に引き続き、住宅金融支援機構が2018年8月に発表した「民間住宅ローン借換の実態調査」を取り上げてみたいと思います。金利タイプは借り換え前と比較するとこのように変化しています。
・変動型 : 36.2% → 42.0%
・固定期間選択型 : 43.9% → 46.3%
・全期間固定型 : 19.9% → 12.9%
借換えによって「変動型」と「固定期間選択型」が選ばれる傾向にあることが分かりますが、意外にも最もシェアが大きいのは借り換え前も借り換え後も「固定期間選択型」ですね!
各種調査が示すように変動型のシェアは6割近いですが、こと「借り換え市場」において変動型のシェアがそこまで高くない理由としては、「すでに十分金利が低いので借り替える必要がない」「借り替えメリットが出るほどの金利引き下げが期待できない」と言ったことがあるのかもしれません。
逆に固定期間選択型については借りてから5年後・10年後といったタイミングで当初の優遇金利が終わることが借り換えを検討する良いキッカケとなっていそうですね。住宅ローンに限らず金融商品は一般的にキッカケがないと放置しがちですので・・・。
では念のためもう少し詳細なデータをチェックしてみると借り換え前と借り換え後の金利マトリックスはこのようになっています。
これだけでは良く分からないので金利タイプ別に借換え後にどんな金利タイプを選んでいるのか具体的な比率を書き出してみるとこういうことですね。
・変動金利の人
借換え後、変動金利 : 71%
借換え後、固定期間選択型 : 23%
借換え後、全期間固定金利 : 6%
・固定期間選択型の人
借換え後、変動金利 : 24%
借換え後、固定期間選択型 : 71%
借換え後、全期間固定金利 : 4%
・全期間固定金利の人
借換え後、変動金利 : 28%
借換え後、固定期間選択型 : 34%
借換え後、全期間固定金利 : 38%
こうしてみると、意外にも借り換え後も同じ金利タイプを選んでいる人が一番多いということですね!利用していた金利タイプへの「忠誠心」はかなり高いようです・・・。
さて上記の通り「変動型のシェアは6割近い」という点からこの調査結果をもう一ひねりしてみたいと思います。金利タイプのシェアは概ねこういった感じかと思います。
・変動金利 : 6割
・固定期間選択型 : 3割
・全期間固定金利 : 1割
しかし上記の通りこの調査での借り換え前の金利シェアはこのようになっています。
・変動金利 : 36%
・固定期間選択型 : 44%
・全期間固定金利 : 20%
ここから借り換え比率をざっくり計算するとこのようになります。
・変動金利 : 60%
・固定期間選択型 : 147%
・全期間固定金利 : 200%
計算としては間違いないのですが、ただこれだとよく理解できませんので、便宜的に100人中20人が借り換えを行っているとすると借り換え比率はこのようになります。
・変動金利 : 12%
・固定期間選択型 : 29%
・全期間固定金利 : 40%
あくまで「100人中20人が借り換えを行っているとすると」という前提ですが、固定期間選択型利用者や全期間固定金利利用者の3割から4割が借り換えている一方で、変動金利利用者は1割ということになり、やはり変動金利利用者の借り換え率は低そうですね。
そうしたわけで固定期間選択型利用者や全期間固定金利利用者の方々は「みんな結構借り替えている」という認識のもと、積極的に借り換えを検討いただければと思います。
参考にしてみてください。
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