住宅ローン金利の動向にお詳しい方なら気づかれているかと思いますが、今月はネット住宅ローンの借り換え・変動金利をめぐり以下のような動きがありました。
・5月1日:りそな銀行が0.440%→0.429%に引き下げ
・5月8日:住信SBIネット銀行が0.439%→0.428%に引き下げ
月中で住宅ローン金利を変更するのはかなり異例ですが、住信SBIネット銀行の「借り換え・変動金利では最低金利を提示する」という強い意思を感じます。
住信SBIネット銀行の他の期間の金利は最低というわけではない一方、「最低金利」でありさえすればいいなら、りそな銀行と同値の「0.429%」でもいいわけで、相当メリハリの利いた金利設定ですね。
個人的にはそうしたメリハリは戦略上有効だと思いますし、もしかすると変動金利で集めておいて、最終的に固定金利に切り替わっていくことを期待しているのかもしれませんが、いずれにしても借り換え顧客からすればこうした熾烈な金利引き下げ競争は大歓迎ですね。
ちなみにネット住宅ローンの借り換え変動金利で比較すると表面金利としてはこうなります。
・住信SBIネット銀行:0.428%
・りそな銀行:0.429%
・イオン銀行:0.490%
・楽天銀行:0.527%
これだけを見ると住信SBIネット銀行が一番低くて良いという話になりますが、では3,000万円×30年で借りた場合、毎月の返済額にどれくらい差があるかと言えばこうなります。
・住信SBIネット銀行:8万8,812円
・りそな銀行:8万8,825円
・イオン銀行:8万9,625円
・楽天銀行:9万0,112円
つまり・・・ほとんど差がないということですね。住信SBIネット銀行と楽天銀行の差を見ても月1,300円しか違いがありません。その点では金利競争は有り難いのですが、現実的には細かな金利の違いに拘泥することなく幅広く申し込んだ方がいいということです。
加えて最近では住宅ローン利用者に様々な特典を付与する銀行が増えていますのでそうした付加価値にも注目なさってください。
ちなみにこうした変動金利について「実質的に赤字であり、将来的に金利が引き上げられる可能性が高い」という指摘があります。本当にそうなのでしょうか?
住信SBIネット銀行の2018年3月期を見ると住宅ローン関連の収支はこのようになっています。
・貸出金利息:365億円
・預金利息:−43億円
・貸倒引当金:−5億円
人件費などは分かりませんが、ここからは住宅ローンビジネスが赤字となっている様子は窺えません。何を根拠に「今の変動金利は実質的に赤字」ということになっているのかよく分かりませんが、まだ全体として採算は確保できていそうです。
また仮に今後、個別の銀行が変動金利を引き上げてきたとしても借り換えをすればいいわけですし、固定金利に変更することもできます。
金利上昇局面となり、銀行全体で住宅ローン金利が上昇するような事態というのはまだまだ先でしょうからね。
特に借り換え住宅ローンは残高の減少も早いでしょうから、尚更そうした金利上昇リスクに強いと言えます。
ぜひますますお得になっているこうしたネット住宅ローン・借り換え変動金利を積極的に活用いただければと思います。参考にしてみてください。
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