さて月末を迎え、メガバンクの来月2月の住宅ローン借り換え金利が発表されていますね。まず恒例の三菱UFJ銀行はこうなっています。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=1月から変わらず
10年固定=1月から+0.05%上昇
20年固定=1月から+0.05%上昇
人気の変動金利タイプは据え置く一方で、同じく人気の10年固定金利や20年固定金利は引き上げるということですね。長期金利はこの1ヶ月でわずかに上昇しておりますので順当な結果なのではないでしょうか。
次にこれまた恒例のみずほ銀行の住宅ローン借り換え金利についてはこう報道されています。
・みずほ銀行 :
変動金利=1月から変わらず
10年固定=1月から変わらず
20年固定=1月から+0.05%上昇
こちらは変動金利・10年固定金利は据え置く一方、20年固定金利は引き上げということですね。上記の通り市場金利の動向を考えれば10年固定金利は引き上げでもおかしくなかったわけですが、あえて据え置いたのは・・・2月は住宅ローンの需要期であり水を差したくなかったということなのでしょうね。
なお同じタイミングで報道されていた三井住友銀行の2月の借り換え金利は以下の通りです。
・三井住友銀行 :
変動金利=1月から変わらず
10年固定=1月から+0.05%上昇
20年固定=1月から+0.05%上昇
三菱UFJ銀行と全く同じ動きということですね。要するに2月の住宅ローン借り換え金利は、固定金利について「+0.05%引き上げるかどうか」がメガバンク間の違いとなっています。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると過去3ヶ月ではこのようになっています。
この1ヶ月で長期金利は確かに上昇していますね!0.05%程度から0.09%程度への上昇ですから、ざっくり「+0.04%」ということになります。とするとやはり2月の住宅ローン固定金利が上昇傾向となるのは当然と言えそうです。
次に表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、2016年の後半から上昇に転じたことが分かります。
2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことがキッカケとなり、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それに追随するように日本の長期金利も上昇したわけですね。
気になるのは今後さらなる金利上昇があり得るのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのも日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」において、長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからです。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回って上昇することになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが予想されたわけですが、実際、長期金利が2017年2月に0.15%を超えた時にも、2017年7月に0.1%を超えた時にも、日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。本日の長期金利=+0.080%もその範囲内ですね。
ただ喜んでばかりいられないのは、このレンジには上限だけでなく下限もあるという点です。つまり金利上昇をさほど心配しなくて良い一方で、大幅な金利低下もあまり期待できません。
もちろん今のように住宅ローン金利が史上最低水準になっている点を踏まえれば、「上昇しないだけで十分」という考え方もあるかもしれませんが・・・。
加えて住宅ローン金利はすでに「赤字ギリギリ」の状態まで低下しているという指摘もあり、事実だとすればそもそも更なる金利低下余地はほとんどないことになります。
要するに今後の住宅ローン金利は多少の変動があっても全体的には「概ね現状維持」で推移すると考えられるわけで、もしそうだとすれば様子見をするメリットはほとんどなく、借り換えを検討されている方は1日も早く手続きを済ませた方が良さそうですね。高い利息を払い続ける必要はありません。
また、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらです。そうした点からも借り換えを検討されている方は早めに申し込まれることをお勧めしたいと思います。
2月・3月は上記の通り住宅ローンの需要期ですので尚更ですね。
参考になれば幸いです。
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