住宅金融支援機構が、年1回の「民間住宅ローン貸出動向調査」を発表していますね。早速その中で「借り換え」にまつわるデータをチェックしていきたいと思います。
今回は2016年度=2016年4月〜2017年3月が調査対象となりますが、2016年と言えば1月のマイナス金利政策発表以降、市場金利も住宅ローン金利も大きく低下し、「住宅ローン」がヒット商品番付に選ばれるほどでした。つまり、住宅ローンの借り換え需要も大きく伸びたわけですが、実際の人気ぶりについてはこちらの「借り換えの対前年度増減」が参考になります。
まず全体をチェックすると増加or減少と回答した金融機関の割合はこのように推移していることが分かります。
2013年度:増加26.3%vs減少52.0%
2014年度:増加28.6%vs減少42.8%
2015年度:増加31.3%vs減少39.4%
2016年度:増加54.2%vs減少23.1%
そもそも、2015年度まで減少の方が多いことが驚きですが、金融機関の「数」で集計されていることから、例えば借り換えの「金額」自体は順調に伸びていたとしても、ネット銀行やメガバンクなど限られた銀行がその需要の大半を取り込んでしまうと、こういう結果になることはあり得ます。
要するに「独り勝ち」の状態ですね。もちろん厳密には「独り」ではありませんが。
実際のところ借り換え需要が大きく伸びた2016年度でも、増加と回答した金融機関の割合を業態別に抜き出すとこうなります。
・都銀、信託:100.0%
・第二地方銀行:81.8%
・労働金庫:80.0%
・地方銀行:58.5%
・信用組合:50.0%
・モーゲージバンク:50.0%
・信用金庫:44.9%
割合が多い順に並べてみましたが、やはり借り換えで人気のある銀行とそうでない銀行があることが示唆されていますね。もちろん割合が一番低い信用金庫の中にも「大幅増」と回答したところがあるわけで一概には言えませんが、しかしそれでも借り換えを検討されるなら「都銀、信託」の金利をチェックしておいた方が良さそうです。
ちなみにネット銀行はどこに入るのでしょうね?回答している銀行の数を見るとどこにも入っていないようにも見えますが・・・。
なお今回の調査で借り換えに関して最も気になったのが、「住宅ローンへの取り組み姿勢」でこのような回答となっています。
「現状」について「積極的」と回答した金融機関の割合はこのように推移しています。
2014年度:85.5%
2015年度:84.9%
2016年度:81.6%
2017年度:74.7%
また「今後」についてはこうですね。
2014年度:85.3%
2015年度:84.9%
2016年度:80.3%
2017年度:73.2%
水準自体は7割を超え、全体的に積極的であるのは間違いありませんが、ただトレンドを見るとどちらもなぜか順調に低下しているのですね・・・借り換え需要が大きく伸びた2016年度でも減少しているのが意外です。
もちろん金利が低下すると金融機関の利ザヤも減ることになりますので、「以前ほど住宅ローンが儲からなくなった」ということはあるのでしょうけれど、それに加えて上記のように「独り勝ち」状態があるのなら、「もう住宅ローンの借り換えを頑張っても増えないので競争から降りよう」という金融機関がジワジワ増えているのかもしれません。
だとすると、住宅ローン顧客としては借り換え先として、「まだまだ積極的!」という金融機関を選ぶことがより重要になってくるということですね。
本サイトでも引き続きトータルコストの低い借り換え住宅ローンを紹介していきたいと思いますので参考にしてみてください。
>>>住宅ローン借り換え比較クチコミランキング・トップページはこちら