12月となりいよいよ2017年も年末を迎えようとしておりますが、昨年からの取り組みとして、来年=2018年の住宅ローン借り換え金利の見通しを考えてみたいと思います。
まず最初に結論を言ってしまうと、住宅ローン金利見通しの大枠としては「大きく上がることも、大きく下がることもない」という理解でよいと思います。
大きく上がることがない理由は、日銀が異次元の金融緩和を続けているからですね。特に長期金利については2016年からの金融緩和の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和=イールドカーブコントロール」によって、文字通り「金利操作」されることになりました。
具体的には現状、この長期金利の操作目標が「0%」に設定されており、ここから大きく上がることも下がることもない、ということです。
特にこの「金利操作」は金利上昇時に有効だと思います。仮に金利が上昇して国債価格が安くなれば、日銀が無制限に購入することでそれ以上国債が安くならない=金利が上昇しないようにするのは容易なのではないでしょうか。実際、今年=2017年の2月と7月に長期金利が一時0.1%を超えましたが、日銀がすかさず「指値オペ」を実施することで0.1%に低下しました。過去3年の長期金利の推移を見てみるとこうなります。
つまり日銀の「金利操作」は有効に機能しているわけで、だとすると「住宅ローン借り換え金利が大きく上がることはない」と考えられるわけですね。
逆に大きく下がることがない理由は、この「金利操作」には「上限」だけでなく「下限」も設定されているというのはありますが、加えて現状の住宅ローン金利がすでに採算ギリギリと目される水準まで下がっていると考えられるからです。一部の住宅ローン金利や金融機関では「赤字」という噂も聞きます。
だとすれば仮に2018年に追加緩和などでの理由で市場金利が大きく下がったとしても住宅ローンは今の水準からほとんど下がらない可能性は十分あります。
そうしたわけで良い意味でも悪い意味でも、2018年の住宅ローン借り換え金利は低位安定して推移しそうですが、そうした状況が大きく変わる場合というのは以下3つでしょうか。
1つ目は「楽観シナリオ」と言えるのかもしれませんが、低迷するインフレ率がいよいよ上昇し、現状の目標である2%を安定的に上回り、上記イールドカーブコントロールをはじめとする異次元緩和が縮小・終了するケースですね。もしそうなれば市場金利も住宅ローン金利も相応に上昇することになります。
住宅ローン顧客からすると「楽観」ではありませんが・・・。
ただアベノミクス開始からすでに4年半が経過し、内外の好景気がずっと続いていてもなおインフレ率は0%台にとどまっているわけですから、2018年にいきなりインフレ率が大きく上昇する可能性は低そうです。
2つ目は「悲観シナリオ」と言えるのかもしれませんが、リーマンショック以降続いている景気拡大局面がついに終了し、日本経済を支えるために日銀が新たな金融緩和拡大に踏み出さざるを得なくなるというケースですね。もしそうなれば市場金利も住宅ローン金利も相応に低下することになります。
こちらのケースは・・・それなりにありそうです。リーマンショックからすでに9年以上が経過していますからね!金融危機はおおむね10年に一度起きているようですので尚更です。少なくとも「楽観シナリオ」のインフレ率が2%に達する可能性よりは高いのではないでしょうか。
3つ目は「現実シナリオ」と言えるのかもしれませんが、2018年に日銀の黒田総裁の任期が終了しますので、その際に非現実的な目標となりつつある日銀のインフレ目標をより現実的なものに修正するというケースです。仮に2%から1%に変更されれば異次元緩和が縮小するタイミングはぐっと早くなりますから、金利上昇圧力になりますね。
日銀が異次元緩和を早くやめたがっているとは思いませんが、今後の景気変動に柔軟に対応していくためには「異次元緩和が縮小できる」というカードは持っておきたいのではないかと思います。
ただそうは言いつつ最も「現実的」なのは、2017年に実施された金融緩和が、2018年も全く同じように継続されていくというシナリオです。日銀総裁の任期終了についても黒田氏が再任される可能性が高いようですし。
ということで2018年の住宅ローン借り換え金利の見通しは、冒頭ご案内したように「大きく上がることも、大きく下がることも考えにくい」ということですね。2017年と同じように狭いレンジの中で、推移していくことになりそうです。
そのレンジの具体的な幅ですが、2017年の長期金利は「0%〜プラス0.1%」の間で推移しておりましたので、住宅ローン金利も同様に「幅0.1%」くらいのレンジで動くのではないか、と思います。だとすると・・・やっぱり安定していますね!
なお全体的にはそういう話になるわけですが、今後徐々に住宅ローンの借り換え需要が縮小する中で金融機関同士の競争が激しくなるとすれば、個別にはよりがんばる銀行が出てくるかもしれません。それはやはり「ネット銀行」や、「ネット専用金利」など、インターネット専用の住宅ローンが主戦場となるのでしょうね。
最近ではみずほ銀行や三菱UFJ信託銀行の住宅ローン業務からの一部撤退がニュースになっていますが、これらは競争が激しくなっていることの証左と言えそうです。
これから住宅ローンの借り換えを検討されている方は、全体的な金利動向に加え、この「インターネット専用の住宅ローン」に注目して情報収集されるとより有利な住宅ローンを見つけることができそうです。
当サイトとしても積極的にそうした情報をご案内していきたいと思います。
参考にしてみてください。
>>>住宅ローン借り換え比較クチコミランキング・トップページはこちら