11月も月末となり、冬のボーナス支給日が近づいていますね。
今度の冬のボーナスは前年比で増えるという話も聞きますが、増えた方も増えなかった方もぜひ有意義にお使いいただければと思います。
さてそのボーナスの有意義な使い道として、住宅ローン顧客の方々が真っ先に頭に浮かべるのは「繰り上げ返済」ではないでしょうか?実際、住宅ローンの平均借入期間は25年前後である一方、平均「完済」期間は15年前後と言われており、そのように借り入れ期間を10年も縮める原動力はもちろん「繰り上げ返済」ですね。
というわけで「支給されたボーナスを利用しての繰り上げ返済」には大賛成ですが、ただ一方で同じタイミングでご検討いただきたいのが住宅ローンの借り換えです。住宅ローンの借り換えについては年中いつでもできますが、ただ借り換えに際して少なくない手数料がかかることを勘案すれば、実際にはボーナスが支給されるタイミングというのが現実的ですね。
ではボーナスを活用した「繰り上げ返済」と「借り換え」。どちらがお得なのでしょうか?
結論から言えばケースバイケースですが、ただ元の住宅ローン金利が高ければ高いほど「借り換え」の方がお得になるのは間違いありません。というわけで今年の夏に書いた、同じ趣旨の記事から試算部分のみを抜き出すとこうなります。
・元の住宅ローン:2,000万円×20年
・借換え後の住宅ローン:0.5%(変動金利)。
・借り換えにかかる諸費用を60万円。
この60万円を繰り上げ返済した場合のメリットと比較することにします。
・ケース1:元の住宅ローンの金利が2.0%の場合
繰り上げ返済メリット : 約29万円/返済期間約8ヶ月短縮
借り換えメリット : 支払い利息削減額約326万円−借り換え費用60万円=約266万円
→繰り上げ返済メリット29万円vs借り換えメリット266万円ということで、「借り換え」がお得。
・ケース2:元の住宅ローンの金利が1.0%の場合
繰り上げ返済メリット : 約13万円/返済期間約7ヶ月短縮
借り換えメリット : 支払い利息削減額約105万円−借り換え費用60万円=約45万円
→繰り上げ返済メリット13万円vs借り換えメリット45万円ということで、「借り換え」がお得。
・ケース3:元の住宅ローンの金利が0.8%の場合
繰り上げ返済メリット : 約10万円/返済期間約7ヶ月短縮
借り換えメリット : 支払い利息削減額約63万円−借り換え費用60万円=約3万円
→繰り上げ返済メリット10万円vs借り換えメリット3万円ということで、こちらは「繰り上げ返済」がお得。
つまりは借り換えがメリットを出すためには概ね「0.3%程度の金利削減」が必要ということですね。
>>>住宅ローンの借り換えと繰り上げ返済、どっちが得?
ただこのまま過去の記事をコピーするだけでは面白くもなんともありませんので、もう少し精度を高めた試算をしてみたいと思います。以前も取り上げましたが、住宅金融支援機構が定期的に発表している「民間住宅ローン借換の実態調査」によると借り換えの標準的なパターンはこういうことのようです。
・借り換えまでの経過年数 : 約5年
・借り換え後の金利タイプ : 固定期間選択型
・金利低下幅 : 0.7%程度
・借り換え金額 : 2,000万円程度
とすると借り換えの中身は概ねこのような感じでしょうか。
・元の住宅ローン : 20年×2,000万円×1.4%
・借り換え後の住宅ローン : 20年×2,000万円×0.7%
この借り換えメリットをいつものように住信SBIネット銀行の借り換えシミュレーションにかけるとその結果はこうなります。
・利息削減額 : +150万円
・諸費用 : −60万円
・借り換えメリット : +90万円(90万円利息を減らせた、という意味です)
一方、元の住宅ローン=20年×2,000万円×1.4%に対して、上記諸費用分=60万円を、「借り換え」ではなく「繰り上げ返済」に充当したとするとその繰り上げ返済メリットはこうなります。
・繰り上げ返済メリット : 約8万円
つまり繰り上げ返済メリット8万円に対して借り換えメリット90万円ということで、「借り換え」の圧倒的な勝利ということですね。
もちろん、実際に借り換えをした方々のデータから逆算しておりますので、「借り換えが有利でないとおかしい」とも言えるわけですが、それでもこうした実態に近い数字を見ると、より具体的にイメージが湧きやすいのではないかと思います。
「ボーナスで繰り上げ返済!」と考えておられる方は、ぜひ借り換えについても検討されてはいかがでしょうか。
参考にしてみてください。
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