さて月末を迎え、メガバンクの11月の住宅ローン借り換え金利が発表されていますね。まず恒例の三菱UFJ銀行はこうなっています。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=10月から変わらず
10年固定=10月から変わらず
20年固定=10月から変わらず
人気の変動金利タイプも10年固定金利もすべて据え置きということですね!長期金利はやや上昇傾向ですが、それでも据え置いたということは、年末・年度末に向けて再びアクセルを踏み込み始めたのかもしれません。
実際のところ報道によれば3年固定特約金利を引き下げるようですので、やはり積極的になってきているのでしょう。評価したいと思います。
次にこれまた恒例のみずほ銀行の住宅ローン借り換え金利についてはこう報道されています。
・みずほ銀行 :
変動金利=10月から変わらず
10年固定=10月から変わらず
20年固定=0.05%引き上げ
こちらも変動金利タイプと10年固定金利は据え置きである一方、20年固定金利は0.05%引き上げということですね。ただ上記の通り長期金利はやや上昇傾向であった点を踏まえれば、むしろみずほ銀行の方が市場金利に素直に追随していると言えそうです。
ついでに三井住友銀行の住宅ローン金利も報道されておりましたのでチェックしてみるとこうなっています。
・三井住友銀行 :
変動金利=10月から変わらず
10年固定=10月から変わらず
20年固定=0.01〜0.03%引き上げ
こちらもみずほ銀行と同じく、素直に市場金利の動向を反映させた金利ではないかと思います。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると過去3ヶ月ではこのようになっています。
全体的には9月初旬を底にして長期金利は上昇傾向にあることが分かります。10月も概ね上昇傾向でしたが、ただよく見ると9月の下旬と比べれば同じ水準だったと言えそうです。
先月もご案内したように、「メガバンクの金利は毎月25日前後に決まる」ということなのであれば、上記の通りメガバンクの11月の10年固定金利について「据え置き」で揃ったのも当然なのかもしれません。
次に表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、ただ昨年の後半から上昇に転じていることが分かります。
1年以上前となりましたが、2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことがキッカケとなり、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それに追随するように日本の長期金利も上昇したわけですね。
気になるのは今後さらなる金利上昇があり得るのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのも日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」において、長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからです。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回って上昇することになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが予想されたわけですが、実際、長期金利が2月に0.15%を超えた時にも、7月に0.1%を超えた時にも、日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。本日の長期金利=+0.065%もその範囲内ですね。
ただ喜んでばかりいられないのは、このレンジには上限だけでなく下限もあるという点です。つまり金利上昇をさほど心配しなくて良い一方で、大幅な金利低下もあまり期待できません。
もちろん今のように住宅ローン金利が史上最低水準になっている点を踏まえれば、「上昇しないだけで十分」という考え方もあるかもしれませんが・・・。
加えて住宅ローン金利はすでに「赤字ギリギリ」の状態まで低下しているという指摘もあり、事実だとすればそもそも更なる金利低下余地はほとんどないことになります。
要するに今後の住宅ローン金利は多少の変動があっても全体的には「概ね現状維持」で推移すると考えられるわけで、もしそうだとすれば様子見をするメリットはほとんどなく、借り換えを検討されている方は1日も早く手続きを済ませた方が良さそうですね。高い利息を払い続ける必要はありません。
また、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらです。そうした点からも借り換えを検討されている方は早めに申し込まれることをお勧めしたいと思います。
参考になれば幸いです。
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