これまでずっと金利が低下してきた住宅ローンですが、中でも大きく金利が低下したのが2013年の「異次元緩和」開始以降ですね。
住宅ローン金利のベースになる長期金利=10年もの国債金利は過去5年でこのように推移しています。
2012年当時0.7%前後あった長期金利が今や0%前後まで低下しているわけですから、劇的な低下と言えそうです。
このように金利が低下すれば、当然将来の「金利上昇懸念」も後退することになりますので、借り換え後の金利タイプとしても固定金利から変動金利へという流れが加速しそうです。
固定金利とは「金利上昇リスクが少ない分、高い金利」ということですから、金利上昇リスクが後退すれば人気が減るのも当然のような気がします。
では過去5年の間にこの「借換え後の金利タイプ」というのはどのように変化したのでしょうか?
というわけでいつものように住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」からデータを引っ張ってくるとこのようになります。
調査の実施時期がバラバラなためにややいびつなグラフになっていますが、この調査結果が正しいとすると最も変動金利のシェアが増えたのは2014年〜2015年であり、この時期最も「金利上昇リスクが後退した」と言えそうです。
というわけで、この時期を上記長期金利グラフに当てはめるとこうなります。
確かに金利が順調に低下している時期ではありますが、ただ最も劇的に低下したのは2016年1月のマイナス金利発表以降ですね。となると2016年1月以降、特に8月から金利が上昇するまでは変動金利のシェアが最も大きくなっておかしくないはずですが、再度「借換え後の金利タイプ」をチェックするとその時期はこうなっています。
変動金利ではなく、むしろ固定期間選択型が大きくシェアを伸ばしていることが分かります。
この調査はネットでのアンケート調査であることから「そもそも信ぴょう性が低い」という可能性も十分ありますが、仮に正しいとすると
・変動金利より金利の低い固定期間選択型が提供されている。
・金利が低すぎてかえって金利の固定意欲が増した。
・変動金利利用者の借り換え需要は概ね一巡し、今は固定期間選択型利用者の借り換えが増えている。
と言ったことが考えられます。
現状の金利動向を考えればまだまだ低金利が続く可能性は高く慌てて金利を固定化する必要はないものの、最も低い金利がたまたま固定期間選択型なのであればそれを利用するというのは十分ありだと思います。固定期間が終了した後の優遇金利はあらかじめチェックしておく必要がありますが・・・。
また3つ目の仮説に絡みますが、ちょうど10年前(2007年)、5年前(2012年)などに固定期間選択型で住宅ローンを借りて、その金利の固定期間が終了した人は今が借り換えのチャンスですね!上記の通りこの4年で住宅ローン金利は大きく低下したわけですから。
この住宅金融支援機構の調査結果の信ぴょう性についてはやや懸念がないでもないですが、納得できる部分があれば参考にしてみてください。
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