さて月末を迎え、メガバンクの9月の住宅ローン金利が発表されていますね。まず恒例の三菱UFJ銀行はこうなっています。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=8月から変わらず
10年固定=8月から−0.05%引き下げ
20年固定=8月から−0.05%引き下げ
人気の変動金利タイプは据え置きである一方、注目の10年固定金利タイプは「−0.05%」の引き下げということですね!また、20年固定金利タイプもやはり「−0.05%」の引き下げということのようです。
長期金利は先月と比較して確かに低下していますので、「順当な引き下げ」と言えそうです。
また、9月末にかけて不動産需要や住宅ローン需要がそれなりに盛り上がるのだとすれば尚更、このタイミングでの金利引き下げは「順当」ですね。
次にこれまた恒例のみずほ銀行の住宅ローン金利についてはまだ発表されていないようですので、今回は既に報道されている三井住友銀行の金利をチェックしてみたいと思います。
・三井住友銀行 :
変動金利=8月から変わらず
10年固定=8月から−0.05%引き下げ
20年固定=8月から−0.03%〜−0.06%引き下げ
こちらも順当ですね!三井住友銀行は三菱UFJ銀行の金利にいつも完全に追随しておりますので当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると期間1年ではこのようになっています。
昨年の後半からじわじわ上昇してきた長期金利ですが、年明け以降は基本的に「頭打ち」と言える状態ですね。
さらにこの1ヶ月は北朝鮮の核問題の深刻化もあって徐々に低下してきました。1ヶ月前は0.075%で本日は0.010%ということですから、差し引き「−0.065%」ということで、最近の狭いレンジの中では結構下がりました・・・。
どうせならマイナス水準までいってほしかった気もしますが、理由が理由なだけにあまり喜んでもいけなさそうです。
次に表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、上記の通り昨年の後半から上昇に転じていることが分かります。
1年以上前となってきましたが、2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことがキッカケとなり、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それに追随するように日本の長期金利も上昇しています。
足元では再び金利が低下傾向にあるとは言え、気になるのは今後さらなる金利上昇があり得るのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのもいつもご案内しているように、日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」によって長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからですね。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回ってくることになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが期待されたわけですが、実際、長期金利が2月に0.15%を超えた時にも、7月に0.1%を超えた時にも、日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。本日の長期金利=+0.010%もその範囲内ですね。
ただ喜んでばかりいられないのは、このレンジには上限だけでなく下限もあるという点です。つまり金利上昇をさほど心配しなくて良い一方で、大幅な金利低下もあまり期待できません。
もちろん今のように住宅ローン金利が史上最低水準になっている点を踏まえれば、「上昇しないだけで十分」という考え方もあるかもしれませんが・・・。
加えて住宅ローン金利はすでに「赤字ギリギリ」の状態まで低下しているという指摘もあり、事実だとすればそもそも更なる金利低下余地はほとんどないことになります。
要するに今後の住宅ローン金利は多少の変動があっても全体的には「概ね現状維持」で推移すると考えられるわけで、もしそうだとすれば様子見をするメリットはほとんどなく、借り換えを検討されている方は1日も早く手続きを済ませた方が良さそうですね。高い利息を払い続ける必要はありません。
また、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらです。そうした点からも借り換えを検討されている方は早めに申し込まれることをお勧めしたいと思います。
9月の住宅ローン金利は全体的に低下しそうですしね。
参考になれば幸いです。
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