先日のコラムでは、住宅金融支援機構が発表した「民間住宅ローン借換の実態調査」のデータに基づき、借り換え後の金利タイプについて「年収」「年齢」によってどう違うのかご案内しました。
今回は同じくこの「民間住宅ローン借換の実態調査」から、「借入残高≒借り換え金額」によってどのような金利タイプが選ばれているのかチェックしてみたいと思います。
ちなみに今回引用するデータは、2017年7月に発表された、「2016年4月から2017年3月までに借り換えを行った1,360名」の回答を集計したもので、規模などは十分ですね。
早速その回答結果ですが、このようになっています。
ざっと見た感じ、変動型と固定期間選択型はほぼ同じような借り換え金額分布である一方で、全期間固定型は「2,000万円〜3,000万円」「3,000万円〜4,000万円」の回答が相対的に多く、その点では「全期間固定型利用者の中では借り換え金額が大きい人が相対的に多い」と言えそうです。
ただこのように「金利タイプ別」に集計してしまうと、その逆の「借り換え金額が大きい人が全期間固定金利を選んでいるのかどうか」という点はよく分かりません。と言うわけで、この集計結果を「借り換え金額別」に集計しなおすとこうなります。
確かに「4,000万円超」を除けば、残高=借り換え金額が大きいほど全期間固定型のシェアが高まっていますね!残高が大きい人ほど残る返済期間も長く、「金利上昇リスク」に過敏であるということかもしれません。
とは言いつつ。
全期間固定型のシェアが最も高まる「3,000万円〜4,000万円」のゾーンでも最もシェアが大きいのは固定期間選択型であり、そのシェアは48%と全期間固定型の2倍以上になっています。
と言うか、どのゾーンでもシェアで比べると固定期間選択型>変動型>全期間固定型の順番で、全期間固定型は最下位ということですね!このように残高別で見ると結構印象が変わってきます。
なお、借り換えでわざわざ手数料を払ってまで、相対的に割高な金利となる全期間固定金利を選ぶ人が少ないのは容易に理解できますが、一方、変動型より固定期間選択型の方が多いのは意外です。
もしかするとこの調査の回答者に偏りがある可能性もありますが、そうでないとすると「変動型を利用している人はすでに十分金利が低いので借り換えをする必要がない」ということでしょうか?
あるいは「変動型より金利の低い固定期間選択型が積極的に提供されている」ということなのかもしれませんが。
これから住宅ローンの借り換えを検討されている方は参考にしてみてください。
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