さて月末を迎え、メガバンクの6月の住宅ローン金利が発表されていますね。まず恒例の三菱UFJ銀行はこうなっています。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=5月から変わらず
10年固定=5月から+0.05%
20年固定=5月から+0.05%
人気の変動金利タイプは据え置きである一方、10年固定金利タイプ、20年固定金利タイプは「+0.05%」の引き上げということですね!
三菱UFJ銀行のこの10年固定金利については、4月にいきなり+0.50%も引き上げた一方で、5月には再び−0.35%も引き下げるという「往復ビンタ」のような金利変動となっておりまして6月の金利に注目されたわけですが、これまた意外感のある「わずかな引き上げ」になったのですね。
一体どのような戦略でこのような金利を設定しているのか全く謎です・・・意図がちっとも見えてきません。
もしかすると7月の住宅ローン金利をもう一段引き下げるための「前フリ」なのかもしれませんが。
次にこれまた恒例のみずほ銀行の住宅ローン金利をチェックしてみるとこうなっています。
・みずほ銀行 :
変動金利=5月から変わらず
10年固定=5月から変わらず
20年固定=5月から変わらず
こちらはいずれの金利タイプも「金利変更ナシ」ということで三菱UFJ銀行とは対照的と言えそうです!個人的にはこちらのみずほ銀行の金利設定の方が納得感がありますが、いずれにしても横並びと思えるメガバンクの住宅ローン金利も、意外と細かな差があるということですね。ご注意いただければと思います。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると期間1年ではこのようになっています。
昨年の後半からじわじわ上昇してきた長期金利ですが、年明け以降は基本的に「頭打ち」と言える状態ですね。
ただ細かく見れば この1ヶ月でわずかに上昇しています。1ヶ月前は0.015%で、本日は0.040%ということですから、差し引き+0.025%上昇していることになります。この「わずかな上昇」を住宅ローン金利に反映させるかどうかで対応が分かれたということなのでしょうか。
次に表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、上記の通り昨年の後半から上昇に転じているわけですね。
2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことがキッカケとなり、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それに追随するように日本の長期金利も上昇しています。
気になるのは、今後こうした金利上昇が続くのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのもいつもご案内しているように、日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」によって長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからですね。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回ってくることになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが期待されたわけですが、実際2月に長期金利が0.15%を超えた時には日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。本日の長期金利=+0.040%もその範囲内ですね。
ただ喜んでばかりいられないのは、このレンジには上限だけでなく下限もあるという点です。つまり金利上昇をさほど心配しなくて良い一方で、大幅な金利低下もあまり期待できません。
もちろん今のように住宅ローン金利が史上最低水準になっている点を踏まえれば、「上昇しないだけで十分」という考え方もあるかもしれませんが・・・。
加えて住宅ローン金利はすでに「赤字ギリギリ」の状態まで低下しているという指摘もあり、事実だとすれば更なる金利低下余地はほとんどないことになります。
要するに今後の住宅ローン金利は多少の変動があっても全体的には「概ね現状維持」で推移すると考えられるわけで、もしそうだとすれば様子見をするメリットはほとんどなく、借り換えを検討されている方は1日も早く手続きを済ませた方が良さそうですね。
また、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらです。これから夏のボーナス支給が始まる中でさらに混みあうことも予想されます。そうした点からも検討されている方は早めに借り換え申し込みされることをお勧めしたいと思います。
参考になれば幸いです。
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