本日のニュースでは、いつもの三菱UFJ銀行ではなく、三井住友銀行の4月の住宅ローン借り換え金利が報道されていました。
三菱UFJ銀行は情報公開のハードルを上げてしまったのでしょうか・・・あるいは誤報などの問題が起きたのでしょうか?だとすると残念ですが、三井住友銀行の金利はこうした動きのようです。
・三井住友銀行 :
変動金利=4月から変わらず
10年固定=4月から−0.05%
人気の変動金利タイプは据え置きである一方、10年固定金利タイプは「−0.05%」の引き下げということですね!驚きはありませんが、3ヶ月ぶりの引き下げだけに住宅ローン顧客としては素直に喜びたいと思います。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると期間1年ではこのようになっています。
昨年の後半からじわじわ上昇してきた長期金利ですが、この1ヶ月は低下傾向が鮮明ですね。1ヶ月前は0.060%で、本日は0.015%ということですから、差し引き0.045%低下していることになります。
そうすると上記三井住友銀行の「0.05%引き下げ」というのは素直に市場金利の動向を反映させたもの、というわけですね。
言い換えれば、「まだそこまで積極的にはなっていない」ということかもしれませんが、それでも下がっているわけですし、今月=4月に住宅ローン金利が引き上げられたことを踏まえればやはり良い傾向です。
今のところ三菱UFJ銀行に加え、みずほ銀行など他のメガバンクの金利も報道されていませんが、恐らく追随するのでしょうね。
そもそもこれまで三井住友銀行は三菱UFJ銀行の金利に完全に追随してきましたので、現時点で「すでに三菱UFJ銀行の5月の住宅ローン金利を把握している」可能性が高そうです。とするとやはり5月の住宅ローン金利は全体的に多少なりとも低下することが期待できそうです。
さていつものように表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、上記の通り昨年の後半から上昇に転じているわけですね。
2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことから上昇し始め、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それに追随するように日本の長期金利も上昇しています。
気になるのは、今後こうした金利上昇が続くのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのもいつもご案内しているように、日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」によって長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからですね。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回ってくることになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが期待されたわけですが、実際2月に長期金利が0.15%を超えた時には日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。
本日の長期金利=+0.015%もその範囲内ですね。
なお、足元で市場金利が低下傾向にあるのは、トランプ政権への期待が薄れつつあることに加えて、シリアや北朝鮮における地政学リスクが高まっているからであり、こうした状況が続けばさらなる金利低下が期待できそうです。
ただし上記の通り長期金利には「上限」だけでなく「下限」も設定されていると目されていることに加え、銀行側の採算を考えれば住宅ローン金利の低下余地はもはやかなり限られていると思いますが、今後も借り換え金利の低下が多少なりとも継続されることを祈りたいと思います。
最後に、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらですので、検討されている方は早めに借り換え申し込みされることをお勧めしたいと思います。
住宅ローンは申し込み時点ではなく、借入時点の金利が適用されますので、先に審査を通し金利が低くなった段階で申し込む、ということも可能です(一説によれば審査が通れば最大で半年くらいは待ってくれるようです)。その点でも申込みは早め早めの方が良いですね。
参考になれば幸いです。
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