本日のニュースでは、三菱UFJ銀行の4月の住宅ローン借り換え金利が報道されていました。こうした動きのようです。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=3月から変わらず
10年固定=3月から+0.50%
20年固定=3月から変わらず
人気の変動金利タイプや20年固定金利は据え置きである一方、10年固定金利タイプは何と「+0.5%」の引き上げですね!驚きです。
もちろん、住宅市場および住宅ローン市場の需要期は3月末の引っ越しシーズンまでですので、これまでのキャンペーン金利を一旦引き上げるというのは分かりますが、それにしても極端です。
すでに十分な住宅ローンの申し込みを受けたので、営業政策上「ちょっとお休み」という判断がなされた可能性はゼロでありませんが、ただ熾烈な住宅ローンの貸し出し競争を考えるとそれはないような気がします。
むしろ、ずっとキャンペーン金利を続けていると誇大広告として金融庁や消費者庁から怒られる可能性があり、コンプライアンス的な観点から「4月は捨てた」ということなのかもしれません。
三菱UFJ銀行系列で、最近住宅ローンの人気が高まっていると感じているauじぶん銀行も「4月を捨てる」のか注目ですね。
ここでいつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると期間1年ではこのようになっています。
昨年の後半からじわじわ上昇してきた長期金利ですが、足元では上昇が止まっているだけでなく、むしろ少し低下しているようにも見えます。だとするとなおさら、来月これだけ金利を引き上げる必要はありませんね。
やはり金利環境によるものではなく、「自行都合」による金利設定ということなのでしょう。
今のところみずほ銀行など他のメガバンクの金利は報道されていませんが、追随するのかしないのか、気になるところです。
なおそうしたキャンペーン金利終了の影響を除けば、長期金利の動向を踏まえると各銀行の4月の住宅ローン借り換え金利は概ね「据え置き」もしくは「多少の引き下げ」もありそうです。期待しておきたいと思います。
さていつものように表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまでの度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、上記の通り昨年の後半から上昇に転じているわけですね。
2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことから上昇し始め、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それにつられるように日本の長期金利も上昇しています。
金利水準としてもこれまでの「マイナス金利」から「プラス金利」に回復しています。
気になるのは、今後こうした金利上昇が続くのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのも日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」によって長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからですね。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回ってくることになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが期待されたわけですが、実際2月に長期金利が0.15%を超えた時には日銀は「指値オペ」を実施し、長期金利を0.1%以下に引き下げています。
そうしたわけで当面、長期金利は「−0.1%〜0.1%」と言ったレンジ内で推移していくことになりそうです。
ちなみに先月の今頃の長期金利は+0.05%でしたが、本日の長期金利は奇しくも+0.06%ということでほぼ同じ水準を維持しています。
なおトランプ大統領への期待がはげ落ちてくれば金利もまた低下してくるのではないかと思いますが、アメリカの長期金利も少し低下傾向ですね。日本の住宅ローン金利に波及してくることを期待したいと思います。
現実問題としては住宅ローン金利の低下余地はもはやかなり限られていると思いますので、今後借り換え金利が下がるとしても「大幅な低下」はなさそうですが、多少なりとも低下してほしいものです。
最後に、いつもご案内しているように住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合がありますし、人気銀行ならなおさらですので、検討されている方は早めに借り換え申し込みされることをお勧めしたいと思います。
住宅ローンは申し込み時点ではなく、借入時点の金利が適用されますので、先に審査を通し金利が低くなった段階で申し込む、ということも可能です(一説によれば審査が通れば最大で半年くらいは待ってくれるようです)。その点でも申込みは早め早めの方が良いですね。
参考になれば幸いです。
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