本日のニュースでは、三菱UFJ銀行の2月の住宅ローン借り換え金利が報道されていました。こうした動きのようです。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=1月から変わらず
10年固定=1月から−0.15%
20年固定=1月から−0.05%
人気の変動金利タイプは据え置きではあるものの、10年固定金利タイプや20年固定金利タイプはそれぞれ「引き下げ」ということですね。特に10年固定金利は「過去最低水準」とのことでなかなか積極的です。
となると市場金利もそれだけ下がったのかな?と思うわけですが、いつものように長期金利の推移を具体的にグラフで見てみると期間1年ではこのようになっています。
ここ1ヶ月ではほとんど金利に変動がないように見えますね!どちらかと言うと多少上昇しているかもしれません。いずれにしても住宅ローン金利を引き下げる環境にはないわけで、そうした中で三菱UFJ銀行が金利引き下げを決めたということは・・・やはり2月・3月の住宅ローン需要を取り込むための戦略的な金利設定ということなのでしょうね。
実際、同じく報道されているみずほ銀行の金利はこのようになっています。
・みずほ銀行 :
変動金利=1月から変わらず
10年固定=1月から変わらず
20年固定=1月から−0.05%
こちらは10年固定金利は「据え置き」ということで三菱UFJ銀行と対応が分かれましたが、市場金利の動向を見る限りみずほ銀行の方が「順当」と言う気がします。
言い換えれば三菱UFJ銀行の2月の金利はあくまで「特別」であり、4月になれば再び上昇する可能性が高いということになります。利用を検討されている方はご注意ください。
各銀行の2月の住宅ローン借り換え金利はこのように「据え置き」か「金利引き下げ」かで対応が分かれるということになりそうです。
さていつものように表示期間3年の長期金利のグラフをチェックしてみるとこうなります。
これまで度重なる大規模な金融緩和や、2016年1月のマイナス金利政策発表を受けて大きく低下してきた長期金利ですが、まず2016年7月末の追加緩和が残念な内容だったことから上昇し始め、さらに2016年11月にはアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しアメリカの金利が急上昇したことから、それにつられるように日本の長期金利も上昇しています。
金利水準としてもこれまでの「マイナス金利」から「プラス金利」に回復しています。
ちなみに先月の今頃の長期金利は+0.05%であり、本日の長期金利は+0.08%ですから、0.03%上昇しているわけですね。そう考えると三菱UFJ銀行が2月の10年固定金利を0.15%も引き下げてきたのはやはり、「キャンペーン」的な意味合いが強そうです。
気になるのは、今後こうした金利上昇が続くのかどうかという点ですが、幸いにしてそれはなさそうです。と言うのも日銀が実施している「金利操作付き金融緩和」によって長期金利の操作目標は「0%前後」に設定されているからですね。
仮に長期金利がその「0%前後」を大きく上回ってくることになれば、日銀は国債の大規模な買い入れなどを通じて金利引き下げに動くことが期待されるわけです。
問題はその「0%前後」がどういう範囲=レンジかと言うことですが、今のところ金融市場では「−0.1%〜0.1%」とされています。実際、今の「0.08%」という水準はまさにその範囲内ですし、「これまでのところ日銀の思惑通りの金利水準になっている」と考えても良さそうです。
であれば長期金利がさらに上昇することは考えにくく、住宅ローン金利も住宅ローン借り換え金利も0.05%程度の変動はあったとしても、それ以上の金利上昇はなさそうということですね。
さらに先月もご案内したように、トランプ次期大統領への期待がはげ落ちてくれば金利もまた低下してくるのではないかと思います。現実問題として住宅ローン金利の低下余地はもはやかなり限られていると思いますので下がるとしても「大幅な低下」はなさそうですが、そうした展開となることを期待したいと思います。
ちなみにいつもご案内しているように、住宅ローン審査には1ヶ月以上かかる場合があることに加えて、例年2月〜3月はさらに混み合います。検討されている方は早めに借り換え申し込みされることをお勧めしたいと思います。
住宅ローンは申し込み時点ではなく、借入時点の金利が適用されますので、先に審査を通し金利が低くなった段階で申し込む、ということも可能です(一説によれば審査が通れば最大で半年くらいは待ってくれるようです)。その点でも申込みは早め早めの方が良いですね。
参考になれば幸いです。
>>>最新の住宅ローン借り換え金利はこちら