前回のコラムと同じような書き出しとなって恐縮ですが、近日中に住宅ローンの借り換えを検討されている方にとって少し厄介なのは金利が上昇している点ですね。長期金利のグラフをチェックしてみるとこのようになっています。
確かに2016年夏に−0.3%近くまで低下した一方、足元では0.05%程度まで上昇しており、こうしたタイミングでの借り換えに躊躇される方は少なくなさそうです。
そうした中で先日、日経新聞が興味深い記事を掲載していました。「住宅ローン しぼむ市場」というタイトルでしたがその内容は、2015年に月平均4万件程度で推移してきた住宅ローンの申込件数が、2016年2月のマイナス金利政策導入後、8万件に倍増した一方、2016年12月には4.3万件まで「しぼんだ」ということです。
確かにピーク時の数値=8万件から見れば「しぼんだ」ということかもしれませんが、それでも4万件台をキープしているのであれば「元に戻った」ということの方が正確なような気がしますが、それなら記事としてのインパクトがないということなのでしょう。
また、通常このように「ブーム」が起こればその後はきっちり反動が来てもおかしくないと思うのですが、そうなっていないということは住宅ローン需要はまだまだ底堅いという前向きな見方もできそうです。
しかし最も印象的だったのは借り換えに関する数値で、メガ銀行の借り換え申込は2016年8月に前年比2.8倍に膨らんだ一方、2016年12月は前年比4割増まで「縮んだ」とのことです。
何とまだ「4割増」という高水準であり、こちらは「底堅い」というより「好調」と言って良さそうです!「縮んだ」というのはさすがに語弊があるのではないでしょうか?
なぜこのように金利が上昇傾向にあるのに好調が続いているかと言えば、もちろん絶対水準で見れば住宅ローン金利はまだまだ歴史的な低水準であることに加えて、借り換えのキッカケとして「金利の当初固定期間の終了」などがある事や、逆に後ろ向きな理由としては、借り換えは「いつやっても良い」点が腰を重くさせたり、あるいはこれまでの借り換え手続きの混雑ぶりからすっかりやる気を損なわれてしまった、などと言うケースもあるかもしれません。
これらの「借り換えがすぐに進まない理由」の中で問題となってくるのは、やはり「後ろ向きな理由」の方ですね。
確かに借り換えはいつやっても良いわけですが、しかし後回しにして良い理由にはなりません。極端に金利の低下が進んだ現状を踏まえれば、借り換えをすれば確実に金利が下がるのに割高な金利を払い続けると、そのコストは長い目で見れば何十万・何百万円の「損」になってきます。
また、「混雑ぶりからやる気を失った」ということであれば、借り換え申込が前年比4割増まで「縮んだ」今の対応は以前よりはマシなはずですね。
加えて例年3月にかけては住宅ローンが最も混み合うタイミングですし、長期金利の上昇が一服している点にも注意が必要です。期間3ヶ月で見ると長期金利はこのように推移しています。
もし仮にここから長期金利が低下していくことになれば、2月、そして3月の住宅ローン金利も多少は下がるでしょうから、再び借り換え申込が増加する可能性は十分あります。
であれば昨年12月からわずかに金利が上昇した1月に借り換えを申し込む意義はありそうです。
ちなみに住宅ローンの金利は契約時、つまり実際の借入時の金利が適用されますので今申し込んだからと言って1月の金利がそのまま適用されるわけではありません。
場合によってはまず審査を通しておいて、金利が下がるのを数ヶ月待つことも可能なのではないでしょうか?
金利が下がってから申し込んでも審査手続きに数週間から1ヶ月かかりますからね。
なお、今後の金利見通しですが、最近の金利上昇要因となってきた「トランプ政権に対する期待」が徐々に後退していることから、金利が低下する可能性は十分あると思います。
そうであれば尚更今は借り換え申込のチャンスと言えるかもしれません。
繰り返しになりますが、割高な金利を払い続けるのは馬鹿馬鹿しいですからね・・・。
参考にしてみてください。
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