さて先週のアメリカ大統領選挙は驚きの結果になったわけですが、その後、アメリカや日本の株価が上昇していることは皆さんご存知かもしれません。
しかしそれ以上に大きく反応しているのが債券市場ですね。要するに金利が上昇しているわけですが、アメリカの長期金利の推移を見てみるとこうなっています。
確かに大統領選直後から大きく上昇していることがわかります。
これはおそらく、トランプ氏の掲げる「大規模な減税」や「多額の公共投資」を実施した場合、アメリカの債務が大きく膨らみ、米国債の信用力が低下する事態を懸念してのものかと思います。
その点では金融市場は、トランプ氏が公約していた経済政策をしっかり実現していくと判断している、ということですね。今のところ。
日本国民からすれば「メキシコの国費による国境壁の建設」など、実現不可能な公約ばかり報道されておりましたので、一体何が実現されそうで、一体何が実現されそうにないのかさっぱり分かりませんが、少なくともしばらくは「トランプ相場」が続くことになりそうです。
つまりはアメリカの株価も金利も当面は上昇していく可能性がある、ということですね。
そうなってくると当然、世界の金利も上昇するわけですから日本も無関係ではいられません。実際、日本の長期金利もジリジリと上昇している状態です。チェックしてみるとこうなっています。
上昇幅としては7月末の日銀の金融緩和に対する「失望ショック」の方が大きいといえますが、それでも足元の金利上昇は大きなターニングポイントとなってきそうです。
というのも「0%」に近づいてきているからですね!本日の長期金利は−0.005%ということですが、昨日から+0.015%上昇している点を踏まえれば明日にも「プラス金利」に回帰することになります。
もしそうなれば今年の2月来続いてきた長期金利の「マイナス金利ワールド」も一旦は終了ということですね。
さらに日銀はその「0%」を長期金利の管理目標としているわけで、もしそれを超えてくるようであればいよいよ、金融市場vs日銀の熾烈な争いが始まってくることになります。理論上は日銀が0%の水準で国債を買い占めればそれ以上は上昇しないわけですが、とは言いつつ実際に日銀がそこまで機動的に国債を買えるのかどうかはよくわかりません。
もちろん最終的には日銀の目指す金利水準まで低下はするのでしょうけれど、短期的に「0%」という防衛ラインが突破されてしまうのかどうか、仮に突破されるとすればどれくらい上抜けてしまうのか気になるところです。
またこうした動きが続くようであれば、住宅ローンの借り換え金利についても一定の上昇圧力を受けることになります。まだ状況としては長期金利で言うと−0.05%→0%=「+0.05%の上昇」といったレベルですから影響は軽微ですが、仮に長期金利が「+0.1%」程度まで上昇する可能性があるとすれば、住宅ローン金利もまた「+0.15%」程度上昇してもおかしくないということですね。
何があるかわからないのが経済であり、金融市場ですので、ご留意いただければと思います。
ただ一方で、新しい金融緩和の枠組みによって長期金利の上限目途が「0%」と明示されたことは、住宅ローン顧客にとって「不幸中の幸い」だったといえるかもしれません。
もし以前のようにあくまで「量」のみの目標だった場合はもっとスルスル上昇していた可能性もあります。実際のところ2013年の異次元緩和発表当初は長期金利は0.9%近くまで上昇しましたからね。今は「0%」がかなり日本の長期金利の重しになっているのは間違いないと思います。
アメリカの長期金利に完全に連動していればもっと上昇していたのではないでしょうか。
そうしたわけで、新たな金融緩和の枠組みの元では長期金利=10年金利が0%を超えてどんどん上昇していく事態というのは考えにくいです。
多少、住宅ローンの借り換え金利が上昇したとしても慌てず、着実に手続きを進めていただければと思います。
いつもご案内しているように、一度手続きが済めば、実際に借りるまではしばらく銀行も待ってくれるようですからなおさらですね。
参考にしてみてください。
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