本日のニュースでは、三菱UFJ銀行の7月の住宅ローン金利が報道されていました。こうした動きのようです。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=6月から変わらず
10年固定=6月から−0.30%引き下げ
15年固定=6月から−0.10%引き下げ
20年固定=6月から−0.10%引き下げ
4月に一旦、実質金利を引き上げた三菱UFJ銀行ですが、6月に再び金利を引き下げ、そして7月はさらに引き下げるということですね。
このように積極的に金利を引き下げる背景としては、もちろん世の中の金利がそれだけ低下しているからですね。足元の長期金利は今や驚きの−0.2%台ですが、その要因は2つです。
1つ目はイギリスの国民投票の結果が驚きの「EU離脱」だったことから、世界の投資家が資金を株式から国債に避難させる「リスクオフ」の動きが顕在化し、日本を含め世界の長期金利が低下しているから。
そして2つ目は同じ理由で大幅に円高株安が進み、それに対抗するため日銀がさらなる金融緩和に踏み出すだろうという見通しが広がっているから、ですね。
本当に市場の思惑通り追加緩和が発表されるかどうかは実は不確か、という点は今朝のこちらの記事でご案内しました。
>>>イギリスEU離脱による金利低下は行き過ぎ!?鍵は次回の日銀会合
それでもタイミングはともかくとして、いつかは何等かの形で追加緩和は行われるのでしょうし、理由はどうあれ、少なくとも足元の市場金利が大きく低下している点は追い風です。
実際、上記のように三菱UFJ銀行は7月の固定金利を全般的に引き下げてきたわけですからね。
加えてこうした7月の金利引き下げの動きはそうした外部環境だけでなく、銀行自身の住宅ローン獲得意欲の高まりも影響しているのではないかと思います。
三菱UFJ銀行で言えば、繰り返しになりますが4月に一旦金利を引き上げた後、6月、そして7月と金利を引き下げているわけであり、その間も市場金利は低下し続けていたわけですから、こうした値付けは完全に「自己都合」です。
要するに7月はボーナスシーズンであり、それに伴い顧客の住宅ローン借り入れ・借り換えに対する興味・関心が高まるのであれば、銀行としても、より積極的な金利を提示して住宅ローンをしっかり獲得したいと思っているのではないか、ということです。
増税延期により駆け込み需要は無くなりましたから、なおさらですね。
特に10年固定金利は−0.3%もの引き下げですから、「戦略的な金利」であるのは間違いなさそうです。他の銀行がどのような金利を提示してくるのか楽しみですね。
ただし、今のところいつも同じタイミングで判明するみずほ銀行の7月の金利はまだ発表されていないようです。気になる方はネットニュース等をチェックしてみてください。
ではここで代表的な市場金利である長期金利の推移を具体的にグラフで見てみるとこのようになっています。
直近の水準は−0.230%ということで、やはり大きく下がっていますね!
ちなみに先月もご案内しましたが、市場金利がマイナス水準にあるということは「満期まで持ち切れば元本が減ってしまう」という状態ですから、極めて異常です。
日銀の設定した当座預金の「マイナス金利」が−0.1%であり、それを下回るマイナスでいうことは「日銀に預けた方がマシ」な状態なわけで、本来は誰もこんな金利の国債を買わないはずなのですが、そうならないところを見ると・・・やはり今後のさらなる金融緩和の拡大を織り込んでいるということなのでしょうね。
これまでの常識が通じない金利の世界が広がりつつあるわけですが、もちろん住宅ローン顧客からすれば、これほどありがたい動きはありません。
各銀行への借り換え申し込みも爆発しているようですが、そのように問い合わせが何倍にもなっているということは、申込みも何倍にもなっているはずであり、それはつまり審査期間や手続き期間もそれだけ伸びている可能性が高い、ということです。
すぐに住宅ローン金利が大きく上昇するような状況ではありませんので、仮に手続きに予想以上の時間がかかったとしても焦らず借り換えを進めていかれることをお勧めします。
住宅ローンの金利は申し込み時点ではなく、借入時点のものが適用されますので、先に審査を通しておけば、さらに金利が低くなった段階で申し込む、ということも可能です(一説によれば審査が通れば最大で半年くらいは待ってくれるようです)。
その点でも申込みは早め早めにされることをお勧めします。
ちなみに気になるのがこの「マイナス金利政策」がいつまで続くのかという点ですが、日銀が目指す「2%のインフレ目標」達成まで、ということであれば永遠に続く可能性もあります。少子高齢化が進み、ついに人口が減り始めた日本ではインフレ率2%達成は不可能かもしれませんからね。
マイナス金利が、いつ、どのような理由で終了するのか全く見えません。現時点では「数年内に金利が大きく上昇する可能性はほぼゼロ」ということではないかと思います。
そのような金利観の下、より現実的で、0.01%でも金利の低い住宅ローン選びをされてはいかがでしょうか?
参考になれば幸いです。
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