本日のニュースでは、三菱UFJ銀行の4月の住宅ローン金利が報道されていました。こうした動きのようです。
・三菱UFJ銀行 :
変動金利=3月から変わらず
10年固定=3月から+0.10%引き上げ
何と金利を引き上げるということですね!市場金利は引き続き低下しておりますのでてっきり来月も引き下げが既定路線かと思っておりましたが、どうやらそうでもないようです。
報道によれば「金利優遇キャンペーンの終了に伴う措置」であるとのことで、キャンペーンである以上、どこかで一度終了させ、金利を上げておかないといけないということなのかもしれませんが・・・意外ですねぇ。
やはり住宅市場のピークは3月まで、ということなのでしょう。日銀のマイナス金利政策発動以降、大いに盛り上がってきた住宅ローン市場についても一旦は落ち着きそうです。
では他の銀行の動きはというと、みずほ銀行はこうした動きのようです。
・みずほ銀行 :
変動金利=3月から変わらず
10年固定=3月から+0.05%引き上げ
こちらは10年固定金利については「+0.05%」ということで上昇幅が三菱UFJ銀行と異なりますね。つまり出来上がりの金利が違ってくるということです。
その点では多少の「独自性」があるのかもしれませんが、しかしそれでもこのタイミングで金利を引き上げてくるという点に「横並び意識」を強く感じますね。
ちなみに三井住友信託銀行も金利を引き上げるようですから、一体どうなっているのでしょうか。「資金調達コストが膨らんでいる」 と指摘するメガバンク関係者もおられるようですが、俄かに信じがたいですね。
本音で言えばどの銀行も金利を引き上げたく、プライスリーダーである三菱UFJ銀行の金利引き上げに乗じて喜んで金利を引き上げてきた、ということなのでしょうか。
いずれにしても4月も金利引き下げ間違いなし、と思っていた当方にとっては大変残念な動きです。
ではここで代表的な市場金利である長期金利の推移を具体的にグラフで見てみるとこのようになっています。
直近の水準は−0.090%ということで、引き続きマイナス水準を維持していることが分かります。先月より下がっていますね!やはりなぜこのタイミングで金利を引き上げるのか理解に苦しみます。
5月や6月くらいから、またシレッとキャンペーン金利が始まるということなのかもしれませんね。
ちなみに市場金利がマイナス水準にあるということは、「満期まで持ち切れば元本が減ってしまう」という状態ですから、極めて異常です。
日銀の設定した当座預金の「マイナス金利」が−0.1%であり、それを上回ればたとえマイナスであっても、「日銀に預けるよりはマシ」と正当化できるのかもしれませんが、しかしそれなら「現金で持っておく方がもっとマシ」なわけでこれまでの常識が通じない世界が広がりつつあります。
とは言いながら住宅ローン顧客からすれば、ありがたい動きであるのは間違いありませんが。
実際のところ、各銀行への借り換え申し込みが爆発しているようですね。そのように問い合わせが何倍にもなっているということは、申込みも何倍にもなっているはずであり、それはつまり審査期間や手続き期間もそれだけ伸びている可能性が高い、ということです。
借り換えの所要日数は数週間から1ヶ月ということだと思いますが、足元では1ヶ月から2ヶ月となっていたとしても不思議ではありません。
すぐに住宅ローン金利が大きく上昇するような状況ではありませんので、仮に手続きに予想以上の時間がかかったとしても焦らず借り換えを進めていかれることをお勧めします。
もしかするとこのタイミングで金利を引き上げてきたというのは「殺到した借り入れ申し込みをさばくための時間稼ぎ」という一面があるのかもしれませんね。
ちなみに気になるのがこの「マイナス金利政策」がいつまで続くのか、という点ですが、先月もご案内したように日銀が目指す「2%のインフレ目標」達成までは続くとすれば永遠に続く可能性もあります。
少子高齢化が進み、ついに人口が減り始めた日本ではインフレ率2%達成は不可能かもしれませんからね。
その点ではマイナス金利の終焉は、インフレ率達成ではなく、総理大臣の交替や政権交代に伴う「ポリシーチェンジ」が一番起こりえるリスクと言えるのかもしれません。
安倍政権を支持するかどうかは人それぞれだとは思いますが、政権や日銀総裁が変わっても低金利政策が継続されることを期待したいと思います。
民主党政権でも積極的な金融緩和が実施されていた点を踏まえれば過度な心配は不要だと思いますが。
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