ご存知の通り、今、住宅ローンで人気の金利タイプといえば変動金利です。
新規の住宅ローン貸し出しの中で、変動金利タイプの占める割合はずっと50%を超えています。また、メガバンクなどでは変動金利タイプのシェアが9割近い場合もあるようですね。全体としてみれば変動金利で借りている住宅ローンユーザーがどんどん増えている状況です。
そうした流れを受けて、住宅ローンの借り換え市場でもやはり固定金利から変動金利へ変更している人が多いのではないでしょうか。
ではなぜこれだけ変動金利が人気かといえば、もちろんそれは、数ある住宅ローン金利タイプの中でも、変動金利タイプが最も金利が低いからですね。今や1%を切る変動金利も全く珍しくなくなりました。
加えて借り換えには諸費用がかかることから、金利の引き下げは絶対条件ですが、固定金利タイプから変動金利タイプへの変更なら、大きく金利を引き下げられる可能性が高いですね。3%程度から1%程度へ2%近く金利を引き下げられる方もおられるかもしれません。2%も金利が変われば毎月の住宅ローン返済額が4〜5万円削減できるケースもありそうです。そうした実額を見ればなおさら変動金利タイプが魅力に映るのではないでしょうか。
とは言いつつそんな人気の変動金利タイプにも注意点がないわけではありません。最も気にしないといけないのが金利上昇リスクですね。変動金タイプはその名前の通り金利が変動するわけですから、世の中の金利が上昇すればそれに連動して上昇することになります。
この変動金利タイプの金利上昇リスクについては、実はそれほど気にしなくてもいいかもしれない、という点についてはこちらのコラムで述べていますので参考になさってください。
■「借り換え時の金利タイプ、どれが良い?」
とは言いつつ、多かろうと少なかろうと金利上昇リスクがあるのは間違いなく、それなりに対処法を考えておく必要があります。上記コラムでも触れましたが、
・年収に対して住宅ローン残高が過大な方
・世帯収入が相対的に低い方
は変動金利タイプの利用について慎重に検討した方がよいかもしれません。こうした方々こそ、より住宅ローンの負担を減らしたいわけで、むしろ積極的に変動金利タイプを利用したいと思う方が多いのかもしれませんが、万が一、金利が上昇してしまった場合には死活問題となってしまいますね。ご注意ください。
逆に言えば
・年収に対して住宅ローン残高が少ない方
・世帯収入が相対的に多い方
は仮に住宅ローンの金利が上昇しても一定の耐性がありそうですので、積極的に利用しても大丈夫そうです。
加えて、
・残りの返済期間が短い方
・数年後に退職金などのまとまった収入があることが確実な方
・住宅ローン残高に対して、預金残高が相対的に多い方
も変動金利タイプを利用して良さそうです。
要するに変動金利タイプを利用してよいのは、上記の通りですが、万が一、住宅ローン金利が上昇しても対応するだけの経済的・資金的な余裕がある方、ということですね。
もちろん、「絶対金利は上昇しない」と強く信じる方は多少無理があったとしても変動金利タイプを利用してよい、という考え方もあるかもしれませんし、自己責任という原則からすればその通りですが、実際には未来の金利動向を正確に予測できる人はいません。仮に本当に金利が上昇しなかったとしても、それは結果論ですね。
そう考えるとやはり、経済的・資金的に余裕がない方は、いくら強固な金利観を持っていても、住宅ローン残高が一定額以上減るまでは固定金利タイプで金利上昇リスクをヘッジした方が良さそうです。
借り換え時に変動金利タイプを選ぼうとされている方は参考になさってください。
実際に固定金利タイプと変動金利タイプとで、どれくらいに返済額に差が出るのか興味がある方は以下のような借り換えシミュレーションをご活用ください。
>>>新生銀行の借り換えシミュレーションはこちらから
>>>住信SBIネット銀行の借り換えシミュレーションはこちらから
<住宅ローン借り換え講座>
■講座1「今は住宅ローン借り換えの絶好のチャンス?」
■講座2「金利が1%以上下がらないと借り換えメリットはないの?」
■講座3「気になる住宅ローン金利はどう決まる?」
■講座4「借り換え時の金利タイプ、どれが良い?」
■講座5「住宅ローン減税・控除は借り換えても継続できる?」
■講座6「最も借り換えすべき住宅ローンは・・・住宅金融公庫の住宅ローン!?」
■講座7「住宅ローン変動金利タイプへの借り換え、注意点は?」
■講座8「借り換えで、変動金利の低金利も固定金利の安心も捨てがたい場合は?」
■講座9「保証料の内枠方式と外枠方式、借り換えに有利なのは?」
■講座10「どうしても借り換えができない場合とその対策は?」
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住宅ローンの借り換えを検討されている方は参考になさってください。