住宅ローンの借り換えにあたって、手元資金を元本返済に充当してなるべく借入額を減らしたいという方は多いと思います。
例えば住宅ローンの残高が2,300万円で、手元に300万円あるのでそれを元本返済に回して、借入額を2,000万円にしようと言ったケースです。
300万円手元に持っていても住宅ローン金利を上回る運用はできませんし、経済合理性を考えれば全く正しい行動ですね。「繰り上げ返済は最高の資産運用」という言葉もあるくらいです。
厳密に言えば住宅ローン減税を利用している場合は「残高を維持した方がいい」という事もあるかもしれませんが、手元資金に1円も手をつけず減税期間が終わったタイミングで一括返済する資金管理能力が求められますし、一般的な家計だと実際の税額はそこまで多くなく、「減税枠を余らせている=使い切れていない」という話もよく聞きます。
そのように考えると「残高を維持するメリット」は思ったほど大きくはなく、ならもうスッキリ返済してしまうというのは悪いことではないと思います。経済合理性だけではなく、「残高がどんどん減っていく精神的な満足」も大切ですしね。
そうしたわけで借り換えの際に内入れをして、なるべく早く返済を進めることに基本的には賛同しますが、あえて注意点を挙げるとすれば「返済しすぎてしまう」事態です。お金というのは突然必要になる時もありますので、そうは言いつつ一定額は手元に残しておいた方がいいのも間違いありません。
仮に1%の住宅ローンを返済した後で、10%の消費者ローンを借りないといけないなんて事になれば本末転倒ですからね。
では一体いくら手元資金を残しておけばいいのでしょうか?
特に「正解」 があるものではありませんが、よく言われるのは
・当面の生活費=生活資金の3ヶ月〜6ヶ月
ですね。 仮に急に会社が倒産しても、これくらいあれば失業保険も活用しながら次の就職先が見つかる可能性が高いということではないかと思います。
また、数年以内に必要になることが確定している資金についても残しておいた方がいいですね。住宅ローンの借り換え顧客が40代前後だとすると最も一般的な高額出費は教育費ということではないでしょうか?上を見たら切りがありませんが、
・教育費=志望校の入学金や初期費用、学費、塾・予備校代
の内、毎月の収入で賄えそうにない部分は手元に確保しておいた方が良さそうです。
後は何でしょう?すでにマイホームを保有している点では
・自宅の修繕費用
などですかね?最近の借り換えのタイミングは早いですので大規模な修繕費用をキープしておく必要はないのでしょうけれど。
いずれにしても繰り上げ返済をする前に、例えば向こう3年もしくは5年程度の収入と支出の予定を書き出してみて、不足なく回ることを確認していただければと思います。
もちろん上記の通り万が一の場合は、いくら本末転倒とは言え別途ローンを組むという「最終手段」は残されているわけで、過度に神経質になる必要はないとは思いますが。
参考になれば幸いです。
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